高校数学の解き方

高校数学の教科書や大学入試の問題を解いています。簡潔で分かりやすい解答、模範解答を目指します。

京都大学入試

数学(理系)の第4問(2024京都大学入試)

問題 第 問 与えられた自然数に対して、自然数からなる数列を次のように定める。 次の問いに答えよ。 がすべて奇数であるような最小の自然数を求めよ。 がすべて奇数であるような最小の自然数を求めよ。 解答 第項までの各項がすべて奇数のとき、より、 数列…

数学(理系)の第3問(2024京都大学入試)

問題 第 問 座標空間の点は同一平面上にないとする。線分の中点を、線分の中点をとする。実数に対して、直線上の点と、直線上の点を次のように定める。 このとき、直線と直線がねじれの位置にあるためのに関する必要十分条件を求めよ。 解答 次のベクトルを…

数学(理系)の第2問(2024京都大学入試)

問題 第 問 を満たす複素数と、を満たす複素数に対して、とする。このような複素数が複素数平面において動く領域を図示し、その面積を求めよ。 解答 より、 これをに代入して変形すると、 よって、は、中心、半径の円周上や内部にあることがわかる。この円を…

数学(理系)の第1問(2024京都大学入試)

問題 第 問 個の異なる色を用意する。立方体の各面にいずれかの色を塗る。各面にどの色を塗るかは同様に確からしいとする。辺を共有するどの二つの面にも異なる色が塗られる確率をとする。次の問いに答えよ。 を求めよ。 を求めよ。 解答 立方体の面の数はだ…

数学(理系)の第6問(2022京都大学入試)

問題 第 問 数列を次の式 により定める。このとき、数列の一般項を求めよ。 解答 表より、数列の階差数列がだから、この数列の一般項は次のように推測される。 (※) この推測が正しいことを、数学的帰納法によって証明する。 のとき、(※)の右辺は 上の表…

数学(理系)の第5問(2022京都大学入試)

問題 第 問 曲線軸および軸で囲まれる図形の面積をとする。とし、上の点と原点、およびを頂点にもつ長方形の面積をとする。このとき、次の各問に答えよ。 を求めよ。 は最大値をただつのでとることを示せ。そのときのをとすると、であることを示せ。 を示せ…

数学(理系)の第4問(2022京都大学入試)

問題 第 問 四面体が を満たしているとする。を辺上の点とし、の重心をとする。このとき、次の各問に答えよ。 を示せ。 が辺上を動くとき、の最小値を求めよ。 解答 とすると、だから から よって、より、 同様にして、 ここで、とすると、 よって、 したが…

数学(理系)の第3問(2022京都大学入試)

問題 第 問 を自然数とする。つの整数の最大公約数を求めよ。 解答 をで割った商が、余りだから よって、との最大公約数は、との最大公約数に等しく、それはの約数である。 同様に、をで割った商が、余りだから よって、との最大公約数は、との最大公約数に…

数学(理系)の第2問(2022京都大学入試)

問題 第 問 箱の中にからまでの番号がついた枚の札がある。ただし、とし、同じ番号の札はないとする。この箱から枚の札を同時に取り出し、札の番号を小さい順にとする。このとき、かつとなる確率を求めよ。 解答 かつの条件を満たすのは、とが連続する整数で…

数学(理系)の第1問(2022京都大学入試)

問題 第 問 であることを示せ。ただし、であることは用いてよい。 解答 だから、証明すべき不等式の各辺にをかけた式 の各辺からをひいた式 ・・・(※) を証明してもよい。以下、これを証明するとだから よって、(※)が証明されたから は示された。 ブログ…

数学(理系)の第6問(2020京都大学入試)

問題 第 問 を座標とする空間において、平面内の曲線 を軸のまわりに回転させるとき、この曲線が通過した部分よりなる図形をとする。このをさらに軸のまわりに回転させるとき、が通過した部分よりなる立体をとする。このとき、の体積を求めよ。 解答 はで、 …

数学(理系)の第5問(2020京都大学入試)

問題 第 問 縦個、横個のマス目のそれぞれにの数字を入れていく。このマス目の横の並びを行といい、縦の並びを列という。どの行にも、どの列にも同じ数字が回しか現れない入れ方は何通りあるか求めよ。下図はこのような入れ方の例である。 解答 行目をの順に…

数学(理系)の第4問(2020京都大学入試)

問題 第 問 正の整数に対して、 は整数ではで割り切れない の形に書いたとき、と定める。例えば、である。 は整数で、次の条件を満たすとする。 はで割り切れない。 このようなについて とするとき、 の最大値を求めよ。また、の最大値を与えるようなをすべ…

数学(理系)の第3問(2020京都大学入試)

問題 第 問 を正の整数とする。座標空間において、原点を中心とする半径の球面上の点が次の関係式を満たしている。 このとき、の値を求めよ。ただし、座標空間の点に対して、は、との内積を表す。 解答 題意より、(ア) また、 同様にして、(イ) (ウ) …

数学(理系)の第2問(2020京都大学入試)

問題 第 問 を正の整数とする。はに関する方程式のつの解で、であるとする。 すべての正の整数に対し、は整数であり、さらに偶数であることを証明せよ。 極限を求めよ。 解答 解と係数の関係より、 「は整数であり、さらに偶数である。」 これを数学的帰納法…

数学(理系)の第1問(2020京都大学入試)別解2

問題 第 問 は実数で、とする。に関する方程式 はつの相異なる解をもち、それらは複素数平面上で一辺の長さがの正三角形の頂点となっているとする。このとき、とのつの解を求めよ。 解答(別解) をの解とすると、 をの共役複素数とすると、は実数だから、 …

数学(理系)の第1問(2020京都大学入試)別解1

問題 第 問 は実数で、とする。に関する方程式 はつの相異なる解をもち、それらは複素数平面上で一辺の長さがの正三角形の頂点となっているとする。このとき、とのつの解を求めよ。 解答(別解) をの解とすると、 をの共役複素数とすると、は実数だから、 …

数学(理系)の第1問(2020京都大学入試)

問題 第 問 は実数で、とする。に関する方程式 はつの相異なる解をもち、それらは複素数平面上で一辺の長さがの正三角形の頂点となっているとする。このとき、とのつの解を求めよ。 解答 をの解とすると、 をの共役複素数とすると、は実数だから、 よって、…

数学(理系)の第6問(2019京都大学入試)

第 問 は虚数単位とする。をみたす最小の正の整数を求めよ。 解答 よって、 を整数、として、とする。 だから、は となる。 ここで、で、のとき、となり、をみたさない。 のとき、だから、は 両辺の常用対数をとると、 よって、より、最小はだから、 のとき…

数学(理系)の第5問(2019京都大学入試)

第 問 半径の球面上の点は、正方形を底面とする四角錐をなしている。この点が球面上を動くとき、四角錐の体積の最大値を求めよ。 解答 半径の球面をとする。 点は、正方形だから同一平面上にあり、図形の対称性よりこの平面をとしてよい。 この球面と平面の…

数学(理系)の第4問(2019京都大学入試)

第 問 つのさいころを回続けて投げ、出た目を順にとする。このとき次の条件をみたす確率をを用いて表せ。ただしとしておく。 条件:をみたすのうち、かつが成立するようなの値はただつである。 解答 さいころを回投げると、以下の目か以上の目のいずれかが出…

数学(理系)の第3問(2019京都大学入試)

第 問 鋭角三角形を考え、その面積をとする。をみたす実数に対し、線分をに内分する点を、線分をに内分する点をとする。実数がこの範囲を動くときに点の描く曲線と、線分によって囲まれる部分の面積をを用いて表せ。 解答 は鋭角だから、で、とする。 すると…

数学(理系)の第2問(2019京都大学入試)

第 問 とする。とがともに素数となる整数をすべて求めよ。 解答 が偶数のとき、は整数)とすると、は偶数である。は連続する整数だから、いずれか一方は偶数である。よって、との一方は偶数の素数である。偶数の素数はのみである。 そこで、すなわちとなるを…

数学(理系)の第1問.問2(2019京都大学入試)

第 問 次の各問に答えよ。 問 次の定積分の値を求めよ。 解答 問 ここで とおくと となり が のとき は (与式) ブログ全体の目次(過去の記事の一覧)

数学(理系)の第1問.問1(2019京都大学入試)

第 問 次の各問に答えよ。 問 とする。は有理数ではないが、とがともに有理数となるようなの値を求めよ。ただし、が素数のとき、が有理数でないことは証明なしに用いてよい。 解答 問 より ここで とすると となり とがともに有理数だから が有理数となり矛…

数学(理系)の第6問(2018京都大学入試)

問題 第 問 四面体はを満たすとし、辺の中点を辺の中点をとする。 辺と線分は垂直であることを示せ。 線分を含む平面で四面体を切ってつの部分に分ける。このとき、つの部分の体積は等しいことを示せ。 解答 だから で より (ア) だから で より (イ) (ア)(…

数学(理系)の第5問(2018京都大学入試)

問題 第 問 曲線上の点における法線上に、点をとなるようにとる。ただし、の座標はより大きいとする。 点の座標を求めよ。また、を求めよ。 実数はを満たすとし、がからまで動くときに点と点が描く曲線の長さをそれぞれとする。このとき、極限を求めよ。 解…

数学(理系)の第4問(2018京都大学入試)

問題 第 問 コインを回投げて複素数を次のように定める。 回目に表が出ればとし、裏が出ればとする。 のとき、回目に表が出ればとし、裏が出ればとする。ただし、はの共役複素数である。 このとき、となる確率を求めよ。 解答 とおくと だから は のいずれか…

数学(理系)の第3問(2018京都大学入試)

問題 第 問 はを満たす定数とし、四角形に関する次のつの条件を考える。 四角形は半径の円に内接する。 条件とを満たす四角形のなかで、辺の長さの積 が最大となるものについて、の値を求めよ。 解答 とすると、で で正弦定理より よって また、で で正弦定…

数学(理系)の第2問(2018京都大学入試)

問題 第 問 が素数となるような整数をすべて求めよ。 解答 の連続するつの整数のうちつはの倍数である。また、がの倍数なら、もの倍数である。 よって、与式はの倍数だから、それが素数となるのはのときだけである。 ブログ全体の目次(過去の記事の一覧)