高校数学の解き方

高校数学の教科書や大学入試の問題を解いています。簡潔で分かりやすい解答、模範解答を目指します。

休校中の学校の宿題が多すぎる件

 休校中の学校の宿題が多すぎるのではないかと思い始めたのは、連休が明けようとする5月6日だった。ヤフー知恵袋の高校生の数学の質問に、解答を作り、答えたのがきっかけだった。

 それまでヤフー知恵袋は、もっぱら何かを検索するとき目にするだけだった。質問したり、回答したりすることはなかった。

 5月1日にこのブログに、「9月入学について」という記事を書いた。この流れで、他の人の意見もあちこち「読みあさり」、自分の意見の反応も知りたくなった。そこで、ヤフー知恵袋に意見を初めて投稿してみた。内容はこのブログとほぼ同じである。

 その「読みあさり」の途中で気になる質問に出会った。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14224419624

 うん?これは高校1年生の質問で、高校数学の教科書の最初のページのはず。学校は休校だからまだ授業を受けていない。これを質問するのは予習しているということか?

 こういう根本的なことは、教科書を読んですぐに理解できる生徒と、そうでない生徒にはっきりと分かれる。つまり、中学ではしたことのない新しいものの見方・考え方を受け入れた上で問題を解かないと、問題を解く意味がない。学校から予習をする宿題が出て、意味は分からないまま例題の真似をして問や練習を解く。これが休校になっている全国の学校で起こっているのかと思うと、ぞっとした。

 問題が解けているのだから、それで良いではないかと思った人もいるだろう。ところがこれは大問題である。高校の教科書でやろうとしている概念を受け入れないまま、中学までのものの見方・考え方で問題を解いている。たとえば、中学の連立方程式の文章題をつるかめ算や和差算で解いているのと似ている。つまり、数学の問題をパズルのように解くのである。

 はっきり言おう。高校の教科書に載っている問題の多くは、パズルのように解くことができる。算数で解決できる。算数で解くことができるほど簡単な問題を使って、新しい概念(ものの見方・考え方)を学ぶのである。数学に限らずどの教科も、それまでしたことのない新しいもの見方・考え方を学んでいるのである。その過程を経て、人は成長するのである。

 話は変わるが、今の高校生はものすごい量の問題を解いている。教科書を簡単に終えて、4STEP等の傍用問題集、チャートやFocus Goldのような例題と解法付きの参考書、標準問題精講や1対1対応のような入試問題集など、次々とやるようである。それも、「青チャートを2周しました。次は何がおすすめですか。」などの質問も多い。

 はっきり言ってやりすぎだ。教科書がしっかり理解できているなら、次は志望校レベルの入試問題集か過去問で良い。その中間の問題集は、時間の無駄だし、そもそもやってもつまらない。とくに、例題と解法が書いてある参考書は、解法を見てしまったらもう問題を解く意味や意欲がなくなる。

 と、思っていたが、違うようである。今の受験生は、過去に出題された問題はすべて網羅するらしい。つまり、その解き方を覚えるというか、身につけるというか。

 この状況は、大学入試にも責任がある。もう新しい問題を作れないのだ。どこかしら過去にどこかの入試で出された問題に似たものになる。すると、受験生はそれをやり尽くそうとなる。

 そろそろ入試の形態を変えても良いのではないか。たとえば、高校での成績と、社会活動と、面接。学科試験をなくしたところで、東大に受験生が殺到することはないと思う。

 力がないのに東大に入っても通用しないし。たとえ卒業しても就職は難しい。そもそも地方などでは、東大卒を求めていない。就活しても、何かの法令があるから、願書を受け付けて面接試験はしてくれるが、そこでやんわり断られる。うちでは東大卒は・・・。

 話がテーマとかけ離れたまま戻らない。どうしよう。

 ひと月で500以上の質問に回答を書いた。休校が終わって、学校が再開したからか、質問の数は急に減った。それに伴って私も回答するのをやめた。この多すぎる宿題が原因で、ついていけないとか学校をやめたいとか、そうならないよう少しでも手助けになればと思って、このひと月回答者をしていた。

 間違ってはいけないので一言断っておくが、学校の先生は初めてのことで、一生懸命考えて、熱心に取り組んだと思う。生徒たちもそれに応えようと、一生懸命がんばった。ただ、宿題を多く出すことが、生徒のためになったかどうかは検証の余地がある。

 このブログに書いた「長期休暇にしたこと」や、「小学校クラスの3分の2が学区内トップの公立高校に行った話」も参考になると思う。まあ、個人の体験ですべてを語るのは乱暴すぎるからやめておこう。

 以下、その一部をリンクする。多いので、興味のある人も、間引いて見てほしい。さほど興味のない人は、スルーしてほしい。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11225735441
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12225735362

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12225994027
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12225681162

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11225675351
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13225675373

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13225374913
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12225303792

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11225294386
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12225294362

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10225253160
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13225239268

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14225160839
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11225090426

こんなのも
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13225130648
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11225161291

 この記事を書いている最中に、大阪の小学校で休校が完全解除されたニュースを見た。7時間目をやるのだそうだ。夏休みも短縮。宿題も、三密にならない漢字帳や計算ドリルが多くなるのだそうだ。

 このニュースは、気になることだらけだ。7時間目をやって、さらに夏休みを短縮するのか。そんなに子どもたちを痛めつけたいのか。いや訂正、鍛えたいのか。

 せっかくなので、7時間目なし、夏休みは今まで通りで、学習内容を削減するという実験校を、1,2校指定してやってみてほしい。私は、実験校の方が学力が上がると見るが、みなさんはどうでしょう?

 まあ、何を学力とするかについても、考え方に違いがあるのでしょう。宿題の漢字帳や計算ドリルを、小学生の頃にやったことがないという中高年の方もおられますよね。いつから始まったのでしょう。その効果はどのようにあるのか、教科指導法などの分野として、ちゃんと研究されているのだろうか。ちなみに「百ます計算」は研究されたことがある。その効果のほどは、現在の学校に導入されていないことで判断できる。

 話がまとまりそうにないので、この辺でやめておこう。また、機会があれば、いくつかに分けて、取り上げてみたいと思う。 

 とにかく、休校が解除されて、子どもたちが学校に通っているのは大変うれしい。何がうれしいかと聞かれても困るが、いつもの光景がそこにあるのは幸せなことである。

 ただ、子どもたちはすでに疲れている。