高校数学の解き方

高校数学の教科書や大学入試の問題を解いています。簡潔で分かりやすい解答、模範解答を目指します。

算数の第5問(2021灘中学校入試)

2021年度灘中学校入試問題を解いてみました。中学入試問題は、注意深く解かないと、数学の概念を使ってしまいます。そうならないよう、算数の範囲で解きました。

 

問題

次の問題の\; \boxed{\phantom{kuu}}\; に当てはまる数を求めなさい。

f:id:sugakublog:20210602105356j:plain

 

解答

\; 15 \; で割った余りが\; 1 \; になる整数は、\; 3 \; で割った余りが\; 1 \; で、\; 5 \; で割った余りも\; 1 \; になる数である。

A 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
A \times A3で割った余り 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0
A \times A5で割った余り 1 4 4 1 0 1 4 4 1 0 1 4 4 1 0

このうち、\; A \times A \; \; 3 \; で割った余りが\; 1 \; で、\; 5 \; で割った余りも\; 1 \; になる整数\; A \; は、 \; 1,\; 4,\; 11,\; 14 \; \; 4 \; 個ある。また、\; A \;  \; 1,\; 4,\; 11,\; 14 \; のとき、\; A \times A \; \; 15 \; で割った余りが\; 1 \; になる。

表を見ると、\; A \times A \; \; 3 \; で割った余りは、\; A \; \; 3 \; の倍数ごとに繰り返し、\; A \times A \; \; 5 \; で割った余りは、\; A \; \; 5 \; の倍数ごとに繰り返す。よって、この表以後、\; 15 \; の倍数ごとに、\; 105 \; までに\; 7 \; 回繰り返す。ただし、このうち\; 1,\; 4,\; 101,\; 104 \; は2桁の整数ではないから、

     \; 4 \times 7-4=24 \; (個)

が、A \times A15で割った余りが\; 1 \; となる整数 \; A \; の数である。

               (答) \; 24 \; (個)

  

  

感想

剰余類は高校の内容、合同式は高校でも発展扱い(学習指導要領外)です。これらの知識がある人が、この概念を使わないで解くのは難しいでしょう。それを知らいない小学生の方が、むしろうまく解くのではないかと思います。

もう少し詳しく書くと、上では3の倍数かつ5の倍数が15の倍数であることを利用しています。これをしないで、15で割った余りだけに着目すると、剰余類の考え方を使うことになります。それを避けるとなると、15で割った余りを並べて、繰り返しが起こることを確認します。そうすると、Aが45になるくらいまで調べることになるでしょう。それでは入試のとき時間が足りません。もちろん全部やってみるのは論外です。そう考えると、なかなか良い問題ではないでしょうか。