2021年度灘中学校入試問題を解いてみました。中学入試問題は、注意深く解かないと、数学の概念を使ってしまいます。そうならないよう、算数の範囲で解きました。
問題
次の問題のに当てはまる数を求めなさい。
解答
で割った余りがになる整数は、で割った余りがで、で割った余りもになる数である。
をで割った余り | |||||||||||||||
をで割った余り |
このうち、をで割った余りがで、で割った余りもになる整数は、の個ある。また、がのとき、をで割った余りがになる。
表を見ると、をで割った余りは、がの倍数ごとに繰り返し、をで割った余りは、がの倍数ごとに繰り返す。よって、この表以後、の倍数ごとに、までに回繰り返す。ただし、このうちは2桁の整数ではないから、
(個)
が、をで割った余りがとなる整数の数である。
(答) (個)
感想
剰余類は高校の内容、合同式は高校でも発展扱い(学習指導要領外)です。これらの知識がある人が、この概念を使わないで解くのは難しいでしょう。それを知らいない小学生の方が、むしろうまく解くのではないかと思います。
もう少し詳しく書くと、上では3の倍数かつ5の倍数が15の倍数であることを利用しています。これをしないで、15で割った余りだけに着目すると、剰余類の考え方を使うことになります。それを避けるとなると、15で割った余りを並べて、繰り返しが起こることを確認します。そうすると、Aが45になるくらいまで調べることになるでしょう。それでは入試のとき時間が足りません。もちろん全部やってみるのは論外です。そう考えると、なかなか良い問題ではないでしょうか。