高校数学の解き方

高校数学の教科書や大学入試の問題を解いています。簡潔で分かりやすい解答、模範解答を目指します。

算数の第11問(2021灘中学校入試)

2021年度灘中学校入試問題を解いてみました。中学入試問題は、注意深く解かないと、数学の概念を使ってしまいます。そうならないよう、算数の範囲で解きました。

 

問題

次の問題の\; \boxed{\phantom{kuu}}\; に当てはまる数を求めなさい。

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解答

水にぬれていない部分の三角すいは、容器の三角すいをある割合で縮小したものである。

容器の三角すいの表面の面積は、

   \; 16+18+20+24=78 \; (\mathrm{cm^2}) \:

である。水にぬれる部分の面積が最も大きいのとき、水にぬれない部分の面積は最も小さいから、

   \; 78-60=18 \; (\mathrm{cm^2}) \:

が水にぬれていない。このとき、水が入っていない部分の三角すいの底面積が最も大きくなるから、それを拡大した容器の三角すいの底面積も最も大きくなる。つまり、面積が\; 24 \; \mathrm{cm^2} \: の三角形が底面のとき、水にぬれる部分の面積が最も大きく\; 60 \; \mathrm{cm^2} \: となる。

ここで、どの面を底面にしても、水が入っていない部分の三角すいは、容器の三角すいを同じ割合で縮小しているから、側面の三角形を比べても、同じ割合で縮小している。その長さの割合は分からなくても、面積の割合は求めることができる。

   \displaystyle \; 18 \div (16+18+20)= \frac{1}{3} \:

である。つまり、側面積のうち\displaystyle \; \frac{1}{3} \: が水にぬれていないことが分かる。

したがって、容器の三角すいの底面積が最も小さいとき、水にぬれる部分の面積が最も小さくなるから、

   \displaystyle \; 78-(18+20+24) \times \frac{1}{3} =57 \frac{1}{3} (\mathrm{cm^2}) \:

                  (答)\displaystyle \; 57 \frac{1}{3} (\mathrm{cm^2}) \: