高校数学の解き方

高校数学の教科書や大学入試の問題を解いています。簡潔で分かりやすい解答、模範解答を目指します。

演習問題Bの12(p.117,数学Ⅰ,数研)

問題

{\Large 12}. 2\; 次方程式\; x^2-mx-m+8=0\; が次のような実数解をもつように,定数\; m\; の値の範囲を求めよ。

(1) 異なる\; 2\; つの正の解

(2) 正の解と負の解

解答

f(x)=x^2-mx-m+8\; とすると \displaystyle f(x)=\left( x-\frac{m}{2}\right) ^2-\frac{m^2}{4}-m+8

よって,y=f(x)\; のグラフは下に凸の放物線で,軸は\displaystyle \; x=\frac{m}{2}\; である。

(1) この\; 2\; 次方程式が異なる\; 2\; つの正の解をもつのは,このグラフが\; x\; 軸の正の部分と異なる\; 2\; 点で交わるときである。それは,次の\; [1],\; [2],\; [3]\; が同時に成り立つときである。

[1]\;  グラフと\; x\; 軸が異なる\; 2\; 点で交わる。

   これは判別式\; D\; が正であればよい。

   D=m^2+4m-32=(m+8)(m-4)\gt 0

   よって m\lt -8,\; \; 4\lt m\; \; \cdots (A)

[2]\;  グラフの軸が\; y\; 軸より右側にある。

   \displaystyle \frac{m}{2}\gt 0

   よって m\gt 0\; \; \cdots (B)

[3]\;  グラフと\; y\; 軸の交点の\; y\; 座標が正である。

   f(0)=-m+8\gt 0

   よって m\lt 8\; \; \cdots (C)

(A),\; (B),\; (C)\;の共通範囲を求めて 4\lt m\lt 8

(2) この\; 2\; 次方程式が正の解と負の解をもつのは,このグラフが\; x\; 軸の正の部分と負の部分の\; 2\; 点で交わるときである。これは,このグラフが\; y\; 軸の負の部分で交わるときに成り立つことである。

   f(0)=-m+8\lt 0

よって m\gt 8

 

ブログ全体の目次(過去の記事の一覧)