高校数学の解き方

高校数学の教科書や大学入試の問題を解いています。簡潔で分かりやすい解答、模範解答を目指します。

市松模様が高校入試に 追記の改稿

2021年度京都府公立高校中期入試の数学第6問を、小学生が解くとどうなるでしょうか。その一例を示してみます。

問題

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解答

黒丸を使って、方陣の列を作ってみる。

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黒丸の数は、どれも一辺の数の平方数になっている。

 

(1) この方陣の列から、一辺の数が5の中の空いている方陣を作ってみる。

f:id:sugakublog:20210519143710p:plain  ・・・図1

これは、一辺の数が5の方陣から、一辺の数が3の方陣を取り去ったものである。

よって、その数は、

   5 \times 5 - 3 \times 3 =16 \;

同様に考えて、もとの問題の5番目の図形のタイルAの数は、

   6 \times 6 - 4 \times 4 =20 \;  (答) 20 \;\;\;

 

 (2) この方陣の列から、一辺の数が3の方陣と、一辺の数が4の方陣を重ねてみる。

f:id:sugakublog:20210519145704p:plain・・・図2

この黒丸の数は、3の平方数と4の平方数の和になっているから、

   3 \times 3 + 4 \times 4 =25 \;

となり、もとの問題の4番目の図形のタイルBの数になる。

同様に考えて、もとの問題の9番目の図形のタイルBの数は、

   8 \times 8 + 9 \times 9 =145 \;   (答) 145 \;\;\;

 

(3) 図2の黒丸の数と図1の黒丸の数との差は、

   25-16 =9 \;

である。一方、図2の外側一周の黒丸を取り去った残りの黒丸の数は、

    2 \times 2 + 3 \times 3 =13 \;(個)

である。また、図2の外側一周にある黒丸の数は、図1の黒丸の数より4少ない。

よって、図2の黒丸の数と図1の黒丸の数との差の9に4をたすと、図2の外側一周の黒丸を取り去った残りの黒丸の数13に等しくなる。

同様に考えて、もとの問題の 何番目かの図形では、タイルAとタイルBとの差が1009だから、それに4をたした1013が、タイルAの外側一周を取り去った残りの数になる。

タイルAの数は、(2)でやったように、連続する2つの整数の平方数の和になるから、

    22 \times 22 + 23 \times 23 =484+529=1013 \;

  (参考に、1013 \div 2 =506.5 \;の前後をさがすと良い。)

 これはタイルAの外側一周を取り去っているので、それを補って、

    23+1=24 \;    (答)24 \;\;\;番目の図形

 

  

加筆 (3)の解き方のイメージ

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4番目の図形のタイルBとタイルAとの差を求めるとき、赤や青の×印は相殺されるから、緑枠内のタイルBと黄枠内のタイルAとの差がその差になる。したがって、タイルBとタイルAとの差に4を足せば、緑枠内のタイルB、つまり一つ前の3番目の図形のタイルBの数になる。

以上のように考えると、(3)は(2)の逆算ということが分かる。中学生の解き方では(2)が2次式になるので、(3)は2次方程式になる。これを小学生が解くには、(2)の式がすっきりした分かりやすい式である必要がある。(2)を平方数の和ととらえるのは、そのためでもある。