2021年度京都府公立高校中期入試の数学第6問を、小学生が解くとどうなるでしょうか。その一例を示してみます。
問題
解答
黒丸を使って、方陣の列を作ってみる。
黒丸の数は、どれも一辺の数の平方数になっている。
(1) この方陣の列から、一辺の数が5の中の空いている方陣を作ってみる。
・・・図1
これは、一辺の数が5の方陣から、一辺の数が3の方陣を取り去ったものである。
よって、その数は、
同様に考えて、もとの問題の5番目の図形のタイルAの数は、
(答) 枚
(2) この方陣の列から、一辺の数が3の方陣と、一辺の数が4の方陣を重ねてみる。
・・・図2
この黒丸の数は、3の平方数と4の平方数の和になっているから、
となり、もとの問題の4番目の図形のタイルBの数になる。
同様に考えて、もとの問題の9番目の図形のタイルBの数は、
(答) 枚
(3) 図2の黒丸の数と図1の黒丸の数との差は、
である。一方、図2の外側一周の黒丸を取り去った残りの黒丸の数は、
(個)
である。また、図2の外側一周にある黒丸の数は、図1の黒丸の数より4少ない。
よって、図2の黒丸の数と図1の黒丸の数との差の9に4をたすと、図2の外側一周の黒丸を取り去った残りの黒丸の数13に等しくなる。
同様に考えて、もとの問題の 何番目かの図形では、タイルAとタイルBとの差が1009だから、それに4をたした1013が、タイルAの外側一周を取り去った残りの数になる。
タイルAの数は、(2)でやったように、連続する2つの整数の平方数の和になるから、
(参考に、の前後をさがすと良い。)
これはタイルAの外側一周を取り去っているので、それを補って、
(答)番目の図形
加筆 (3)の解き方のイメージ
4番目の図形のタイルBとタイルAとの差を求めるとき、赤や青の×印は相殺されるから、緑枠内のタイルBと黄枠内のタイルAとの差がその差になる。したがって、タイルBとタイルAとの差に4を足せば、緑枠内のタイルB、つまり一つ前の3番目の図形のタイルBの数になる。
以上のように考えると、(3)は(2)の逆算ということが分かる。中学生の解き方では(2)が2次式になるので、(3)は2次方程式になる。これを小学生が解くには、(2)の式がすっきりした分かりやすい式である必要がある。(2)を平方数の和ととらえるのは、そのためでもある。